考えるヒント17ー2 『70億頭のゾウ』
その一つとして、例えば『エコ』と言われるものを考えてみましょう。
エコによって人間が削減できるエネルギー、資源はせいぜい10%未満です。しかもエコを達成するために多大な費用やエネルギー、人材が使われているため、結局は全体的にほぼ同等のエネルギーが逆にかかり、何もエコをできていないのが現状です。
もし仮に10%の削減を達成出来たとしても、資源を使い果たすのが200年であったのが220年に10%延ばされるだけの話しであり、何も根本的な解決にはなっていない。つまり皆が『エコ』という綺麗ごとに逃げているだけなのです。
つまり根本的に解決しようと思えば、ゾウ一頭と同じエネルギーを使うのをやめて、人間本来の使うべきエネルギー量(原始時代~江戸時代 の使用量)に戻さない限り、いずれは人間世界は崩壊し惨憺たる未来が待ち受けているのです。
『エコなどはただの綺麗ごとでいくらやっても意味がないのです』
つまり本当の正しいエコとは、根本的に自分の使うエネルギー量を何十分の一に削減した極端な原始人並もしくは産業革命以前の質素な生活を行うということであり、そうしない限り永遠に環境破壊は進み続けていくのです。
平和ボケした現代人は目の前のことしか考えられなくなり、永遠にこの幸せな世界が続いていくのだと勘違いしていますが、人間の歴史と言うのは根本的に悲惨な苦しい歴史であり、現代のほんの一時の豊かな幸せを通常だと思い込んでいるのがそもそもの元凶なのです。
しかし、豊かさに慣れし たしんだ現代人がそのような質素な生活に戻るのはもはや不可能です。
さりとて、それをしなければ孫、そのまた孫の時代には環境破壊が果てしなく続き、近代文明は崩壊してしまいます。地球も目茶苦茶になります。
しかし…
結局のところ結論を言うと、人間にはそのような根本的なエコは100%不可能でそれはできないのであり、従って数百年後には必ず現代社会は崩壊し、豊かな時代は幕を閉じるのです。
ちなみに宇宙進出などは何万年経とうが物理的に不可能です。科学技術はすでに頭打ちの状態です。以後何万年経とうとほぼ進歩はできません。
つまりそれらをふまえて現代人の我々が今、成すべきことは何かを考えるなら、それは「生きる為、子孫を残す為、幸せな人生にするために働き生活する」ということではないし、「世界中をビルとコンクリートばかりの世界にする」ことでもないのです。
『豊かな余裕のある時代の人間にしかできない、高度な 文化や学問や芸術の構築を子孫や人類史の為に成し遂げる』
これこそが現代人の我々がすべきことであり、散々地球の資源やエネルギーを使い果たしながら生きた我々が浮かばれる唯一の道なのです。
ダーウィンの言葉に次のようなものがあります。
『十分な教育を受け、日々の糧のために働く必要のない人々の存在は、いくら評価しても評価し過ぎることはないほど重要である。高度に知的な仕事はすべて彼らによってなされている』
現代の日本人のほぼすべての人々はこれを出来る環境にあります。簡単に言えば過去の全人類史のなかでトップの1%の中に1億の日本人全員が含まれている。それほど現代日本人は恵まれた環境にあるのです。膨大な資源エネルギーを使い果たしながら生きる我々 日本人、1億すべてが昔で言う貴族、上流社会の環境にあるのです。
周りとの比較など関係ありません。自分の人生にどれだけの自由に使える時間と余裕があるかがすべてなのです。
やろうと思えば誰でも自分の子をモーツァルトにもニュートンにもシェイクスピアにもマザーテレサにも出来るのです。一億すべてがそれが出来るのです。
なぜなら、我々は昔の一般民の何十倍もの『ゾウ並のエネルギー』を実際に使用し、貴族並に余裕のある生活を実際に送っているからです。
あなたは実際に自分の5代前の祖父母より何十倍も楽で豊かな人生を送っているのです。
そして、それと引き換えに資源を使い果たし、地球を蝕み続けているのです‥
あなたはそれだけのことを実際にしながら 、自分の5代前の祖先や5代後の孫たちに、『自分が人生において成し遂げたこと』を胸を張って語ることができますか?
もしこれまでの人生が、ただ単に地球を蝕むだけの人生であったなら、今この時からでも、
素晴らしい文化や芸術、人間の英知‥ すなわち
『真・善・美』
を少しでも極めるための人生を歩み努力するべきではないでしょうか‥?
それこそが200年後の彼等に報いるための唯一の『業』なのです。
70億頭のゾウは今、この時も、何も成し遂げないままにただ、地球を蝕み続けているのです‥
考えるヒント17 『70億頭のゾウ』でした
To be continued‥