考えるヒント13 『親と子』


今日は『親と子』についてお話したいと思います。


人の人生は『遺伝子』が3割、『環境』が3割、『努力』が3割、『運』が1割で決まると言われています。

『遺伝子』は生まれながらに決まっているもので変えることが出来ません。そして『運』もどうすることも出来ません。
しかし残りの6割の『環境』『努力』は、やり方によっては0にもなるし6にもなります。つまり生まれた時点では人生は『遺伝子』の3割しか決まっていないということです。運命という言葉を口にするなら「3割の運命」と言い換える必要があるのです。ですから実際には「運命などほぼない」と言ったほうが正解ですね。


『環境』によってその人の人生は大きく変わります。そして幼い頃ほどその影響は果てしなく大きいのです。
人は10歳くらいまでに性格や神経や記憶力や頭の回転や情緒など内側が出来上がってしまいます。特に5歳までが最も大事です。
そして10歳ぐらいから25歳ぐらいまでに外側を作っていきます。
ですから最も大事な内側を作る時期は、全てを親に預けているということになります。なにも教えなければなにも出来ないし、悪いことしか教えなければ悪いことしか出来なくなります。

そして自分が人生を考えられるようになった頃にはすでに、外側を少し付け足すぐらいにしか出来ない状態になってしまっているのです。つまり自分の人生の3割をしめる『環境』は親の子供に対する努力でほぼ決まるということです。


そして自分の人生における『努力』の3割だけは、自分の力で実行することが出来ます。普通は「努力することは良いことである」ということは誰でもわかることですから、人生のどの瞬間からでもやろうと思えばどれだけでも努力できるはずです。

つまり、20歳ぐらいに自分の人生を考え出した時点で、変えられる自分の人生というのは、0.5割程度の『環境』と2.5割程度の『努力』だけなのです。自分の人生なのにたった3割しか自分の意志では造りあげていけないのです。



では親は子供の人生の何割をその手に握っているのか。
実は子供の人生の6割を握っているのです。

親は子供に最善の環境を与えることも、最悪の環境を与えることもできます。さらには忍耐強く努力することの大切さを教えることも出来れば、耐えることも努力することも知らない子供に育てることも出来ます。

つまり『環境』の3割はもちろん、『努力』の3割も親が意識すれば、子供に植え付けることで親が牛耳ることが出来てしまうのです。完全に「努力しない精神」を植え付けられた子供は、なかなかそこから抜け出して自分の意思で行動することはできないのです。



自分の人生以上に、他人の人生の重荷を自分自身が背負っているという重大事実をほとんどの人(親)は解らずに生きています。

そして裏を返せば、それだけ価値のあることを自分の人生の後半に『子育て』という舞台で行うことができるということです。


自分の人生は3割ですが、子供の人生は6割、そして何人も子供を育てればその数だけ親の役割は倍、倍に増えていきます。

何人もの子供をしっかり育て教え、立派な人間に導くということは、自分一人の人生を遥かに超えた何人分もの人生を自分が歩むことになるのです。



それではここで‥

『子育ては経験が最も大事である』と思い込んでいる世の中の親へ考えるヒントです。

『子供を育てたこともないくせに』という言葉をよく耳にしますが、それでは子供を育てたことのある人は格段に子育てが上手くなるのでしょうか?そうであるなら次男や三男、次女や三女、そして末の子になればなるほど格段に素晴らしい子供に育つはずですが、実際はそうはならず、似たりよったりがほとんどです。
そして初めての子育てで素晴らしい子育てをする人も多々います。

ということは『子育て』の上手下手は『経験』などはあまり関係なく、その人の子育てに対する『能力』や『意識』、『努力』がすべてだということです。



自分の人生以上に大事である『子育て』…

そして、その子育ては自分の『努力』次第でどのようにでも変わるのです。


『努力』という部分は自分の人生の3割を超えて、遥かに広がっていく可能性を秘めているということなのです…



実のある『努力(子育て)』をしっかりしていくためにも、若い間に自分をしっかり成長させておきましょう。




考えるヒント13『親と子』でした


to be continued‥