『音楽を考える 1』
今日は人の『脳』が『音楽』をどのようにとらえているか、について考えてみたいと思います
まず『モナリザ』を想像してください。
絵を思い浮かべれば即座に絵が思い浮かんでくると思います
次に宇多田ヒカル『Automatic』を想像してみてください
音楽を思い浮かべた時は、まず瞬間的に総合イメージが現れ、そして次の瞬間にそれを奏でているアーティストが現れ、その後に曲が出てきます。
なぜか音が先に現れることはありません。
そして驚くべきことになぜか音楽は、音が思いだせなくても、イメージとしてだけで現れることがあります。
もっと正確に言うと、瞬間にAメロ、Bメロ、サビを頭の中で奏でられるわけはないのに、イメージでAメロ、Bメロ、サビを瞬間的に想像できます。
つまり人間の脳は、5分間の曲の流れを一つの『形』としてとらえているのです。
いろいろな曲を思い浮かべて想像してみてください。それらの曲が瞬間的に『形』として現れてくると思います。
これはつまり、『音楽』とは『時間』をつかさどる芸術であるからです。『程』のある『音』を『時間』に乗せて奏でていくのが音楽です。
時間を必要とする以上、音楽というものを一瞬で奏でるのは不可能です。
それを人間の脳は『形』としてとらえることによって一瞬でイメージで奏でているのです。
これはつまり、人間の音楽の聴き方、とらえ方が2種類あるということです。
実際に聴こえてくる音をそのままとらえる方法と、『形』として頭の中でイメージでとらえる方法です。
そして前者の場合を深く考察していくと、なんと『形』でとらえる方法も同時に使いながら聴いているのが解ると思います。
純粋に今奏でられている音のみをとらえるのは不可能なのです。必ず自分の頭の中のイメージと共にしか入ってこない。逆にイメージを0にすると何も入って来なくなります。それは「なにか音がするなあ」というような動物が音楽を聴いている状態となんら変わらなくなります。
以上のことを総合して考えていくとわかるのは、つまり一つの音楽が、すべての人間一人一人に色とりどりに別々の聴こえ方をしているということです。実際には全く同じ『音』が聴こえているはずなのに、それぞれに違った『音楽』が聴こえているのです。
さらに進めると、一人の人間でもその音楽を聴く環境や聴いた回数によってその音楽の聴こえ方が変わってしまうのです
『楽譜どうりに音楽を奏でることはできるが、皆が同じようにその奏でられた音を聴くことは出来ない』
人間のイメージする力を育てるためには、文化や情緒や学問を学び、そして人生において多くを経験することが必要です。
あなたのイメージがより広がれば、広がった分だけ、同じ音からより素晴らしい音楽が聴こえてくるようになるでしょう。
音楽とはすなわち
自分自身のことなのです
『音楽を考える』でした
To be continued…