考えるヒント4 『アイデンティティ』

今日は『アイデンティティ』についてお話したいと思います。


人は一般的に、自分という確固たるアイデンティティ(自己)があると思っています。しかし、実はアイデンティティというものはありません。というより人間においては存在しえないものなのです。
その理由は、人間の人生を形作るものは、3割が遺伝子、あとの7割は生まれてからの「環境」、「努力」 「運」で決められるからです。つまり人間は日々生きていく中で否応なしにどんどん変化していく生き物なのです。

例えばアフリカで生まれたばかりの黒人を日本に連れて来て、日本の文化の中で育てれば、見た目以外はすべて完全に日本人になります。例えば夏目漱石を赤ん坊の時にばかでどうしようもない親に預けると馬鹿になるし、宇多田ヒカルを音痴で音楽嫌いな親の元で育てると音痴になり、勉強嫌いだった人が突然本を読みまくりだしたらその人は賢くなります。
このように人間は日々の環境や意識によってどんどん変化していく生き物なのです。

例えば5年前の自分を思い出してください。今の自分と比べればまるで別人みたいに未熟ではありませんでしたか?
それは時間軸で繋がっているだけで、実は別の個体なのです。実際に自分の身体は3年以内にすべての細胞が入れ替わります。しかもそのほとんどは2ヶ月以内に入れ替わるのです。意識も身体も実際に別物になっているのですから、言わば昨日の自分ですら少しだけ違っているという事実に気付きませんか?


そこで『考えるヒント』です。


日々過ぎるごとに変わっていくアイデンティティ(自己)。その変化は誰にも止められません。ゆえに確固たる自己はないのにそれに固執していてはいつまで経っても人は成長しません。自己の変化を嫌う自己中心的な人間が増えたため、現代は子供のような大人が増えたのです。
ここでしっかりと発想を変える必要があります。

人は生まれてから死ぬまで永遠に変化していく生き物であり、確固たるアイデンティティはないものである。そこにあるものは変化していくアイデンティティのみ。つまり、その『変化していくアイデンティティ』こそが本当の『自己』だということに気付きませんか?

このことが本当にわかった時、人は変化を恐れなくなり、そして、


「生まれてから死ぬまでの自己をすべて自分だと受けとめ、愛し、尊いものだと悟るのです」


「環境」と「意識」を変えれば人はいくらでも成長できます。


アイデンティティはいくらでも変えられるのです〟



考えるヒント4『アイデンティティ』でした

To be continued…