考えるヒント5 『中道』


今日は『中道』についてお話ししたいと思います。


この世界には、すぐに人の意見に流される人もいれば、頑固に自分の考えを曲げずに貫き通す人もいます。
しかし自分の考えをすぐに変えてしまうと何が正しいか解らなくなってしまうし、人の意見を全く入れないと人は成長出来なくなります。100%正しい人もいなければ、100%間違っている人もいないのです。
『極端』というものが人間の成長を阻みます。

つねに『中道(ちゅうどう)』の意識で生きることこそ人間を大きく飛躍させます。

まず、この宇宙や世界は必ず二つの「対」で成り立っていることを理解しましょう。
『天と地、男と女、高い低い、善と悪、見ている人と見られている対象、私の考えとあなたの考え、敵と味方』
どちらかが存在しなくなれば、対のものも存在しなくなります。
悪があるから善が成り立つ、他人がいるから「自分の考え」が存在し得るのです。
たとえ嫌いなものでも、その「対」の存在は果てしなく大きいということを理解しましょう。


そして『個』と『関係』の章でも述べましたが、この世界は無限の『個』によって成り立っています。そして2つの『個』と『個』には必ず『間』が存在します。
例えば二つの全く異なる「答え」に「間」があることを認識した上で二つの答えを紐といていくと、その二つの答えのより良い部分を繋ぎ合わせた新しい「答え」がでてきます。そしてその新しい答えはたいていの場合、よりすぐれていることが多いのです。

『中道』を意識することで、全く違う思想を持った国々も相手の国を理解できるようになるし、自分の国の間違った部分も見えてきます。テロなども起こらなくなります。
自分の考えをしっかり持った上で人の意見をしっかり吟味する癖を身につけ、常にその「間」に意見を持っていく。これこそが人類が長年培ってきた『英知』を得る秘策なのです。偏った考え方では絶対に文化は成熟しないのです。


ただ、文化は成熟していてもそれを学べる土俵がないと個人は成長できません。例えば偏った親の考えの元で育つとその子は堅物になり、人の意見を一切聞かなくなります。その場合どんな素晴らしい文化の中にその子をほうり込んでも、考えを閉ざしている限りその子は成長できないのです

つまりもっとも大事なことは、思想が素晴らしいとか、答えが正しいとかそういったことの以前に、自分の考えとは異なったものをいかに柔軟に受け止められるか、それこそが人間の出発点なのです。


あなたはそのスタートラインに立てていますか?


オギャっと生まれた時にはなんの文化も考えも知らなかったはずです。
もう一度『中道』の精神を持って0からスタートラインを切れば全く違った素晴らしい文化や考えが見えてくるかもしれませんよ。


常に「自分の意見」と「相手の意見」の間に本当の答えがあることを意識しながら生きていくように心掛けましょう



『自分』とは『対』が幾重にも折り重なって創造された『対の結晶』なのです



考えるヒント5『中道』でした


To be continued…