考えるヒント12 『100年前の自分』

今日は『100年前の自分』についてお話したいと思います。


いつからか人は『死』とか『死後』とか『あの世』とかいうものを考えなくなりました。身近に死を感じる機会が減ったこともありますが、大衆思想自体が「死んだら何も無くなって終わり」という方向に向かってきたのが何よりの原因です。

適当に何かをするのと死に物狂いで何かをするのとでは全く結果が異なってくるのはよくわかると思いますが、考える時も同様で、普通に考えるのと、死を感じながら考えるのとではその正しさ、深さは全く異なってきます。
つまり昔の人の方が遥かに深く考えていたということです。根底に常に『死』というものを捉えながら生きていたのです。
では現代の豊かな時代の中で忘れてしまった、人間が本来持っているべき『生』『死』という感覚はどのように取り戻せばよいのか。
余命1ヶ月と言われて初めて、窓の外に見えていた今まで何も感じなかった桜の木に、その奥底のはかなさ、美しさを感じ取っていたのではもう遅いのです。



それではここで『考えるヒント』です。


現代人は「今を生きる」「今が大事」という思想により「今の自分は正しい」「自分というものは変化しない」と思い込み、「自分は死なない」と思っている、もしくは「目を背けて考えない」ようにしています。
しかし本当に大事なのは「今」ではなく「一生」なのだということをまず理解しなければなりません。「今が大事」だと、苦しいことはやめて楽しいことを優先してしまいます。そして後々効果が現れるようなことはやらなくなって、今すぐ出来る簡単なことのほうに流れていってしまいます。果ては子孫や家や世の中のことなども考えない自己中心的な考えに至ります。

ここで発想を変えます。

『今』ではなく『全ての時間』を平等に大切だと捉えるのです。

自分の一生も、その後の世界も、その前の世界もすべて大切だと…




さて…100年後、あなたはもちろん生きていませんから、あの世にいるとして、空から地球を眺めて見ましょう。あなたのひ孫あたりがいるかもしれませんね。

100年後の地球です。

そうして空からこの日本を眺めた状態で、そこから時間軸を少し戻していってみましょう。50年ぐらい戻れば老いたあなたが現れます。
あなたは成功して安らかな老後を過ごしていますか?それとも失敗して悲惨な人生を歩んできてませんか?あなたの子供は?

それではさらに50年、時を戻してみましょう。
20歳前後のあなたが現れます。
まだ人生のこともよくわからず、ただなんとなく生きていたあの頃。「もっと必死になって頑張りなさい、後で後悔するよ!」と叫んでもあの世からの声が届くはずもありません。

届くはずもない声…

その声がもし届いたらあなたは100年前の自分に何と声をかけますか?

必死になってあなた自身にかけた声…


『それこそがあなたの心からの本当の本物の声です』


そして声をかけられた『100年前の自分』、それこそが『今のあなた自身』なのです。


もし100年前の自分に戻れたならあなたはどんな人生を歩みますか?



『今』だけを見ている20歳前後のあなたの考えは本当のあなたの考えではありません。
100年もの時間をしっかり心に刻んだ、あの世から眺めている『100年後の自分の想い』こそがあなたの本当の人生に対する想いなのです。


本当のあなたの考えを知る方法はこれ以外にはありません。つまり自分の周りのものに流されながら考えている『今の考え』はどこまでいっても『あなたの本当の考え』には成り得ないのです。
もちろん正確に100年後のあなたの考えを知ることは出来ませんが…
しかし想像することでなんとかその想いを心に持ちながら生きていくことは出来ます。



さて…



目を閉じてしっかり考えてみてください





100年前の自分に戻ることが出来たあなたは人生をどう生きますか?




考えるヒント12『100年前の自分』でした



to be continued…